日本製の薬を許可を受けずに中国人などへ卸していたということで、埼玉県の医薬品卸売会社の社長、増谷健一容疑者が逮捕されました。
事件の概要
報道されている内容は以下の通りです。
逮捕されたのは、埼玉県草加市の医薬品卸売会社「美健販売」の社長・増谷健一容疑者(60)ら2人です。
警察によりますと、増谷容疑者らは今年9月、貧血や水虫などの医薬品およそ120点を、許可を受けずに病院や薬局以外の中国人など個人を相手に販売する目的で保管していた疑いが持たれています。増谷容疑者は、「従業員が勝手にやっていた」と容疑を否認しているということです。
警察は、今年5月にSNSを利用して中国人観光客に密売していた中国人グループを摘発し、入手先などを調べたところ、増谷容疑者らが浮上したということです。警察は、仕入れや販売の実態解明を進めています。
引用:yahoo.co.jp
中国人観光客へ日本の薬を密売していた保管場所が「株式会社プロフェット」です。
そのグループの一人、大阪天王寺区の大学生、楊皓然容疑者22歳が逮捕されています。
SNSを利用した横流し販売には「WeChat」が使われていたようです。
機能はLINEと近いものになっていて、支払いもアプリを介して行われていたという事で、取引の実態がかなり掴みにくいといいます。
販売価格は国が定めた価格の3倍以上でも取引が成立していたようで、糖尿病の薬に関しては1箱7万円ほどで売買されていたようです。
日本の医薬品は品質が高く、中国で「神薬」と呼ばれ人気が高かったといいます。
増谷健一について
こちらが報道で公開されている増谷容疑者の顔画像です。
読み方:そうやけんいち
年齢:60歳
住所:埼玉県草加市花栗
美健販売の会社住所の場所を見ると、表札に「SO-YA」の文字があります。
おそらく、自宅兼会社の一戸建てだったのではないでしょうか。
そのため、「従業員が勝手にやっていた」と容疑を否認していますが、実態の把握はしやすい状況だったと思われますので、否認していても説得力に欠ける状況だと思います。
通常、薬品の卸売りは薬品メーカーから仲介した薬を薬局などへ卸すのですが、それを増谷容疑者は横流ししていました。
通常価格の3倍以上で販売されていたという事で、卸価格もかなり高騰していたものと思われます。
美健販売はどんな会社?
住所:埼玉県草加市花栗4-12-7
配送センター:埼玉県川口市安行北谷545-1
電話:048-944-9351
FAX:048-944-9348
会社設立:2006年3月9日
役員:代表取締役 増谷健一
記載された住所は一戸建てになっています。
「SO-YA」という苗字が確認できます。
事業内容は
医薬品(OTC)の販売
このようにHPには記載されています。
今回の事件は、医薬品医療機器法違反の疑いで社長である増谷容疑者が逮捕されています。
医薬品医療機器法違反とは
以前は薬事法と呼ばれていましたが、平成25年11月に改正され正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。
現在は薬機法と呼ばれ、医薬品、医薬部外品、化粧品を取り扱う業者や個人にかせられる規定で、規定に違反すると罰金や懲役となる場合があります。
懲役刑では贈収賄に関わった場合に最長で7年以下の懲役。
贈収賄にかかわらない場合でも。最大で5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金となります。
株式会社等の法人が薬機法違反に問われた場合は代表取締役社長等が逮捕されます。
ネットの声
転売を承知していて仕入販売し
実際に購入した中国人が転売してる処を取り締まられている
どうにもならないよ。
勝手にやっていたのは従業員だったとしても雇用者責任は代表取締役に在ります。
こういう言い訳をする社長ならば従業員のズボラさも納得できる。
しっかり調査して解明してくれ。
幾ら何でも神聖視しすぎじゃない?
それとも中国語では日本語とは違うニュアンスがあるのかな?
自国の製品が信用できないって辛いよね。
多分 日本の物の方が自国より安全だとわかってるのかもしれないが。
富裕層が買ってるんだろうね
今日、医薬品卸は規模の大きなところが主流で、取引も厳格化しています。にもかかわらず、こうした個人商店レベルの所にバンバン納品していたとすれば、そのメーカーにも立ち入り調査すべきなのです。
(知らなかったなどというのは真っ赤な嘘であることは関係者でなくてもわかります)
ですが、マスコミは納品されていたメーカーには取材はいかないでしょうね。製薬会社は大事なCM先ですからね。(元製薬会社社員)
まとめ
尖閣の問題が熱気があった頃は大規模な不買運動が起きたり、最近では中国で日本ブランドが売れなくなったという記事が中国で掲載されたりなどしていますが、薬に関しては神薬と評されるほどの人気があるんですね。
今年6月にも処方箋が必要な医薬品を無許可で中国人に販売していたとして、大阪府保険医協同組合職員と医師が逮捕されています。
その時は横流しで数千万円の利益を得ていたといいます。
また、以前、高額の治療薬の偽造品が出回ったと事があります。
いずれもボトルは正規品で流通の過程で中身がすり替えられたということでした。
どのように流通したかというと、個人の男女が現金問屋に持ち込んだものだったといいます。
今までにも多くの開業医などが現金問屋に薬を横流しして裏金を作っていたといいますが、それがこのように偽造品を流通させる可能性もあります。
今回、薬を横流ししていたのは中国人に向けた販売業者だったようですが、それにより日本で偽造薬が出回る可能性も0ではありません。
医薬品のネット販売などに対しては色々な意見があると思いますが、安全で品質の良い日本の薬という評価があるのは、品質を守るための流通経路があるからこその評価ですよね。
最近では誰が販売するか、どのように販売するか、という議論が多いですが、どのようにすれば、誤用や乱用を防ぎ、本当に必要な消費者へ安全届くのかが第一だと思いました。