東京都目黒区で痛ましい事件がありました。わずか5歳ながら両親に酷い虐待を受け亡くなってしまった船戸結愛(ゆあ)ちゃん。
最近になり色々な事実が判明してきましたが、その内容、結愛ちゃんの状態などを知ると本当にやるせない気持ちにさせられます。
一体、何が原因でこのような虐待に発展してしまったのでしょう。
2018年3月、虐待で死亡した女児の残したノート
東京都目黒区で今年3月、虐待により船戸結愛ちゃんが死亡。
3月2日、自宅の布団の上で仰向けで倒れていた結愛ちゃんを父親が発見し、119番通報で救急搬送されます。
警視庁は6日、すでに傷害で起訴されていた父親の船戸雄大容疑者(33)、船戸優里容疑者(25)を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕しました。
結愛ちゃんが暮らしていたアパートから、両親への謝罪の言葉が書き連ねられたノートが見つかっています。
朝4時に起床し、父の船戸雄大容疑者に命じられ、平仮名を書く練習をしていたといわれています。
しっかりとじぶんから
きょうよりもっともっとあしたは
できるようにするから
もうおねがい
ゆるして
ゆるしてください
おねがいします
ほんとうにもうおなじことはしません
ゆるして
きのうぜんぜんできてなかったこと
これまでまいにちやってきたことをなおします
これまでどれだけあほみたいにあそんでいたか
あそぶってあほみたいなことやめるので
もうぜったいぜったいやらないからね
ぜったいぜったいやくそくします
覚えたばかりの平仮名で、他の同年代の子供たちがまだ拙い字しか書けぬ中、他の子がお父さん、お母さんありがとうと手紙を書く中で、虐待を恐れて書いた両親への謝罪。
こんなしっかりとした文章が書ける5歳の女の子に何の罪があったのでしょう。
本来なら守ってくれる存在の両親、一緒に幸せを育むはずの時間を恐怖に縛られ、本当に一生懸命辛い思いの中書いた文だと思います。
容疑者のプロフィール
船戸雄大
顔写真
年齢:33歳
職業:無色
住所:東京都目黒区東が丘1丁目
船戸優里
顔画像
旧姓:宮谷優里
年齢:25歳
職業:無色
出身:香川県善通寺市
船戸優里は2016年に船戸雄大と再婚。
結愛ちゃんは連れ子で、船戸雄大と船戸優里の間に長男が生まれています。
結愛ちゃんの祖父母は連れ子だから大切にしてもらえないかと心配していたけれど、本当に犠牲になるとは思わなかったといいます。
船戸優里自体は祖父母から見ると結愛ちゃんを大切にしていたように見えたし、結愛ちゃんもお母さんが大好きだったそうです。
二人の間に子供が産まれてから結愛ちゃんは虐待を受けるようになったといわれています。
しかし、大好きだったお母さんは虐待を見て見ぬフリ。
「自分の立場が危うくなると思った」
衰弱していた結愛ちゃんを病院へ連れて行かなかった理由が自分の保身だけだったことに憤りを感じます。
船戸結愛ちゃんの死因
死因は船戸雄大容疑者の暴力が原因と考えられています。
遺体に複数のあざが見つかっていることから、日常的な虐待の可能性があり、食事も1日1食、茶わんに少しのご飯をよそい、そこに味噌汁をかけたものしか与えられない日もあったそうです。
船戸雄大容疑者はそのように痩せ衰えている結愛ちゃんに風呂場で顔を殴るなどの暴行を続け、その後はほぼ寝たきり状態となり嘔吐を繰り返すように。
殴った理由については「勉強するように言ったら「はい」といったのに寝ていたので暴行した」と供述している模様。
発見された時はおむつをつけており、自力でトイレまで行けない状態だったのだとか。
頭部に衝撃があってからの繰り返しの嘔吐なので、脳に傷がついたり、出血があった可能性もあり、引き続き警察では詳しい原因を調査しています。
発表されている死因は、栄養失調により免疫力低下で引き起こされる肺炎が原因の敗血症です。
臓器が5分の1まで萎縮していた・虐待の内容
結愛ちゃんは免疫に関わる臓器が委縮しており、重さが同年代の約5分の1だった事が捜査で発覚しました。
これは長期間、継続的に虐待を受けた子供にみられる傾向で、結愛ちゃんが発見された時はあばら骨が浮き出るほどに痩せており、死亡時の体重は同年齢の平均より約7キロ少ない12キロしかありませんでした。
。
・食事は1日1回
・空の浴槽に入れて水のシャワーをかける
・裸足のままベランダに放置
・死亡後の調査で足の裏に霜焼けが見つかる
・1月末から3月まで外出したのは1度だけ
・家族で外出の時に一人だけ家に残る
・結愛ちゃんだけ別室で寝起きさせる
・その部屋には電灯や暖房もなかった
・日常的に叩かれていた
このような虐待が繰り返し、日常的に行われていたといいます。
結愛ちゃんを虐待した動機
プロフィールの項目でも触れましたが、船戸雄大と船戸優里の間には2016年9月に長男が産まれています。
虐待が発生するようになったのは2人の間に子供が産まれてからだといわれています。
2016年12月には自宅前で唇から血を流した状態で放置されていたところを近所の住民が目撃し、通報から警察に保護されています。
この日は12月25日、クリスマスでした。
病院で診察を受けた結愛ちゃん。
下唇が切れ、まぶたの上にはたんこぶがあり、この頃には日常的な虐待は始まっていました。
2017年2月には児相が幼稚園への聞き取りを行っていて「食べ過ぎる傾向がある」と報告を受けています。
この頃から船戸雄大が体重への異常な執着があり食事制限があった事もわかります。
育児放棄や児童遺棄は今も後を絶ちません。
平成28年度の児童虐待は12万件と最多を更新しており、今もどこかで虐待が起こっています。
ただ、件数が増えたという事は、今まで表面化していなかったものへ関心が向くようになったからこそという可能性もあります。
私は5歳の結愛ちゃんが残した悲痛なノートをこの先ずっと覚えていると思います。
今もどこかで、もしかしたら親の手によって命を失いそうになっている子供がいるかもしれません。
児童相談所は養子に出すことを望まない限りは親子関係の修復の方法を探してくれる場所です。
今回のように父親、再婚相手が子供に虐待をするという場合は、児童相談所へ一度預けるというのも、子供を守るという形の一つであると思います。
施設に預けると後悔するかもしれない、周りの目が気になるという思いがあるかもしれませんが、結愛ちゃんは幼稚園の職員に「おうちと施設どっちがいい?」と聞かれた時に、施設がいいと答えたと聞きます。
その時点で、一番愛してほしい人からの愛情は受け取っていなかったはずなので、後悔も人の目も気にしている余裕はなかったのではないでしょうか。
このような事件が一件でも少なくなることを望みます。